インフルエンザ・コロナ同時流行への対策について

インフルエンザとコロナの同時流行に対応しようと、最近ではニュースで騒がれています。
インフルエンザについて、そして、その対応について記載します。
①インフルエンザ流行時期
東京都感染症情報センターによるものです。
1月の最初の週を1週目、12月月末を51週目として、グラフが作成されています。
流行は48週目(12月はじめ)くらいから始まり、51週目くらいに年内のピークが来ます。
年内は、クリスマスの頃がピークになります。
そして、メインのピークが1月~2月になります。
なお、今年はまだ報告例が0件です。
②症状は?
コロナの初期症状は、インフルエンザとほぼ同じである、と言われています。
そのため、症状で、コロナか、インフルエンザを区別することはできません。
③今年は流行するのか?
南半球で、季節性インフルエンザの流行は発生せず。
このことを考えると、今年のインフルエンザは流行しないであろうと考えられます。
④今年のインフルエンザへの対応
インフルエンザとコロナの両方の対応ができるような医療体制の整備、という言葉がニュースに載ります。
しかし、具体的にどう対応するのか、まだ分かっていません。
コロナPCR検査をもっと普及させるため、患者さん自身で鼻粘膜を擦っていただき、抗原検査を普及させようと動いているようです。
綿棒を鼻に入れ、5回位綿棒を回して、検体採取。それをもとに検査をすれば、15分程度でコロナかどうかの診断が付きます。
ただし、抗原検査はPCR検査の7割程度の正確性(PCRが7割程度。7割の7割ですので、全体の5割程度の正確性)であり、仮に陰性であった際に問題ないと言ってよいのかどうか。
また、PCR検査の場合は外部に委託する検査になるため、クリニックで用意する医療物品はありません。しかし、抗原検査の場合は、感染防備グッズ、抗原検査キットをクリニックで用意する必要があります。この検査キットが非常に高価であること、有効期限が1年程度と短いことから、クリニックで購入することに躊躇いがあります。
A. 中学生以上
発熱から24時間以内:原則自宅待機。翌日になっても熱が持続する場合に来院して頂く。
24時間以上経過:ゾフルーザ(抗ウイルス薬)、解熱剤処方。コロナPCR検査を実施
後日再診。PCR陰性であり、まだ熱が持続していれば、抗生剤を処方する。
※PCR検査は、発症から2日~9日が望ましいとされています。
※インフルエンザの検査は原則として実施しない予定です。
インフルエンザ罹患率が低いと推測されること、検査に伴う暴露対応として、検査はしません。
B. 子供(小学生以下)
インフルエンザ迅速検査を実施し、陽性であればタミフル処方。陰性であれば解熱剤のみ。
お子様の診察は、例年どおりの対応(コロナを考慮せず)となります。
※子供単独のコロナウイルス罹患者は少ないため、家族に熱がなければ、原則として子供にはコロナの検査を実施しません。
最後に
当院では、熱がある患者さんを断ることはしません。しかし、他の患者さんの安全性も確保しないといけません。
そのため、クリニック以外の場所(車や廊下)で唾液のPCR検査を導入しました。
来院なさったら、クリニック以外で検査を実施し、後日陰性であることを確認した上で診察をします。
これが最も安全な治療であると思っています。
困ったことに、連絡も無しで、高熱の方が来院なさることがあります。
看護師が待合室に病状確認をするようにしていますが、それでも熱がある人は自己申告をしない方もいます。
また、「診察の上で必要ならコロナの検査をしたい」と希望なさる方もいます。
コロナに関する知識はまだ少なく、診察から完全に判断することはできません。有病率(当院では200名近いPCRを実施して、陽性は4名のみ)を考えると、コロナの検査が絶対に必要な人は存在しません。分からないから困っているわけです。
だから、まずは診察を受けようと、予約せずに来院なさることはやめてください。
他の患者さんの生命を守るためです。
11月以降、「熱があるのに、事前に連絡せずに来院なさった場合、診療をお断りし、帰宅していただきます」。
他の患者さんのためです。どうか御理解下さい。