発熱があり、受診なさる方へ
熱があり、当院を受診なさる方へ、いくつかご案内があります。
①はじめに
前提として知っておいていただきたいことがあります。
・症状で「コロナなのかどうか」を診断することは不可能です。
下痢をしている、喉が腫れて膿んでいるなどの際には診断は付きますが、”熱のみ”の患者様の熱の原因を診断することは困難です。ほとんどがウイルス感染ですが、ウイルスには何万種類もあるため、”コロナかどうか”と判断することは出来ません。
・他の患者様を守りながら診察をする必要があります。
・各種検査を実施する職員は感染のリスクを負っています。リスクがあるものの、使命感で頑張っています。
・コロナ抗原検査の有効性は50%程度、PCR検査の有効性は70%程度です。完璧な検査はありません。
・コロナPCR検査は、症状を呈してから2日目〜9日目で有効であり、またコロナ抗原検査・インフルエンザ抗原検査も発症から24時間以降経過したら有効とされます。発症から24時間未満の場合、有効な検査はありません。
※「熱が出たが、抗原検査で陰性でした」という方が居ます。抗原検査は24時間経過をしないと有効ではありません。熱がでた直後の抗原検査は意味がありませんので、ご理解をお願いします。
②当院の対応
年令に関係なく、電話で事前に予約をしてください。
当院は診療予約2020、EPARK、病院なびなどで予約を受けていますが(病院なびは中止中)、ネット予約せず、必ず電話で予約をしてください。
・24時間以上経ち、まだ熱が持続している場合、コロナ検査を実施します。
保険適応になります。原則抗原検査です。最近ではPCR検査をする医療機関は少ないです。
※Q&A
・コロナではないと思うので、診察をまず受けたい
→コロナかどうか、症状で診断することはできません。上記の通りに対応します。
・診察を受けた上で、必要なら検査をしたい
→診察で判断することは出来ません。上記の通りに対応します。
・いつも扁桃炎になるので、扁桃炎だと思う
→初診の場合、”いつも扁桃腺が腫れます”と言われても、”いつも”を知らないので対応できません。
いつも通院している医療機関へ伝えてください。
当院で扁桃炎で通院歴のある方の場合には、以前のカルテを参照して対応を決めます。
・インフルエンザの検査をまず受けたい
→対応していません。
・熱が出たけど、翌日には解熱しました。症状はないけど検査をしたいです
→喉の赤みなどを確認し、必要と判断した場合は検査をします。
・隣りにいた人がコロナでした。
→濃厚接触者という考え方はありません。熱が出ていなければ、検査対象外です。
・上記の流れ以外の治療を希望します
→当院では対応できません。
・予約しないで来院しました。
→発熱者用の待機室が空いていない場合は、お帰り頂きます。
③最後に
先日、熱と皮膚の発赤で来院なさった方が居ました。皮膚が赤いので診察をしてほしい、しかしコロナPCR検査は希望したいという要望でした。「まずはPCR検査から」と事前案内しましたが、「まずは診察を」と希望。来院後は速やかに別室に誘導し、看護師より再度PCR検査から受けてほしいことを案内し、PCR検査を実施しました。結果は陽性でした。この方は別室待機、その後、換気の良い場所で唾液採取をして帰宅、翌日には陽性結果を電話で伝えましたので、濃厚接触に当たる人はいません。仮に診察をしていたら、仮に待合室で待って貰っていたら、と思うと、冷や汗をかきました。この患者様が、当院で診察をした最初のコロナ患者様です。
症状で診断することは不可能です。まだ分かっていない疾患です。可能な限り患者様の要望に応えていきたいですが、職員や他の患者さんに感染を広げる訳にはいきません。
僕自身の感情としては、コロナはすでに風邪の一つであり、通常の診療をしたいと思っています。しかし、まだ世間的には、コロナ=怖い病気、悪であり、分けて診察をする必要があります。
どうかご協力をよろしくお願いします。