精神科を受診するべきでしょうか

精神的につらくなったとき、精神科、心療内科、一般内科、どこを受診するべきなのか、悩むと思います。各科の違いを記載していきます。

はじめに

各科の違いは何でしょうか。

色々なクリニックに、~科と書いてあります。当院の場合は、「内科、消化器内科、循環器内科、老年内科」です。開院する際に、4科を選択し、記載します。どの科を記載しても自由です。ただし、例外があります。それは麻酔科と精神科です。

各分野には、認定医とか専門医がいます。僕は、消化器病の専門医と、内科の認定医です。これは各学会に入会し、テストが受かれば貰え、その更新のために高いお金を毎年払います。言わば、お金で箔を買う状態です。そのため、専門医だからといって知識量が多い訳ではありません

精神科と麻酔科だけは別です。この2科だけでは、専門医資格が国家資格になっています。国家資格を有した人のみが、”精神科”や”麻酔科”という看板を出すことができるようになっています。このように精神科は別格です。精神疾患の患者さんを(人権を無視してでも)強制的に入院させる資格を有するために、精神科専門医は国家資格となっています。この国家資格を取るのは大変で、不正が横行したわけですね。

一方で心療内科とは何でしょうか。精神科の先生が、敷居を低くするために”心療内科”と掲げる例が一つ、内科の医師が科を掲げた例が一つです。内科の医師にとって、心療内科を掲げるメリットは、医療費です。

医療費について

精神科および心療内科による心のケアの場合、通院精神療法という加算を取られます。5分以上の精神科を熟知した医師による診察の際に、30分以内なら330点(3割負担で990円)、30以上なら400点(3割負担で1200円)です。医療機関には、1人当たり追加で約4000円入るので、大きな収入源です。

精神科を熟知した医師というのは、保健所への届け出上、精神科もしくは心療内科を掲げていればよいという漠然としたものです。

とある医療機関では、看板には”心療内科や精神科”と掲示をせず、保健所のみ心療内科と届け出をすれば、経営が安定すると、経営指南をしています。看板に書くと、診察時間をしっかりと確保しないといけないと患者さんから言われるので記載しないように。一方で請求の時だけ心療内科にすればよいという流れです。このやり方で収入を増やしている医療機関は結構あります。

精神科や心療内科を受診なさっている患者さんの場合、ご自身の診療明細をご確認ください。おそらく算定されています。精神科は本来30分に1名か2名程度しか診察ができず、それでは経営が成り立たないからと、患者さんの単価を上げる目的で出来た加算です。しかし、実際には3分診療でも請求されている例が多いです。この加算は訪問診療でも算定できるため、算定して稼いでいるクリニックがあります。

一方で、一般内科で診察をしている場合は、加算はとっていません。当院も取っていません。当院は、医師会への届け出上は心療内科と記載がありますが、老年内科という科の登録がないため、仕方なく心療内科と掲載しているのみで、加算を取る予定はありません。

どういう疾患のときに精神科に行くべき?

8割の疾患は町医者で治ります。精神的なことでも、不眠症、認知症、不安が強い、軽い鬱などが病気の8割を占めています。これについては、(医療知識のある医師であれば)一般内科でも十分対応できます。一方で、躁うつ病、統合失調症、人格障害、アルコール依存症などの病気は、精神科で治療を受ける必要があります。

まとめ

精神科疾患であっても、8割は町医者で対応が十分できます。そのため、眠れない、不安が強いなど、まずは内科の先生に相談して下さい。その方が安いですし、何より”精神科にかかっている”というレッテルが精神的な重荷になることが多いため、内科での対応の方が良いと思います。向精神薬を処方継続していると処方箋料を減額する、という国の通達があり、一部の内科クリニックでは精神的な薬を処方しませんと言っています。処方してもらえるのか、事前に確認した上で、内科のクリニックを受診することをお勧めします。

当院では、オンライン診療を導入する予定です。不安や不眠の方と、オンライン診療は非常に親和性が高いと言われています。しかし、昨年のオンライン診療の基準で、通院精神療法は外来でのみ算定可能となったため、多くの精神科クリニックは撤退しました。当院は通院精神療法を算定していませんので、オンラインへの切り替えも問題ありません。同じ薬が継続されているのであれば、月に約1000円(3割)の負担をするよりも、月に数百円でオンライン診療を受けて、家に処方箋が郵送されてくる方が良いと思いませんか?