インフルエンザについて

暑い夏が終わり、早くもインフルエンザが流行してきました。保育園、幼稚園、小学校などで流行しており、12月始めには大人も流行に入るだろうと思っています。子供の感染症として記載した内容と重なりますが、この項目では成人の方を対象とした内容で記載していきます。

インフルエンザとは

インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。お子様ではまれに急性脳症を、御高齢の方や免疫力の低下している方では肺炎を伴う等、重症になることがあります。

診断

迅速診断キットで検査をします。迅速診断キットでは「早すぎると陽性にならない」と言われていました。特に12時間以内では検査をしてもダメだと言われ、翌日に再度受診するように指示されていることもありました。しかし、12時間以内でも9割は陽性になる(インフルエンザを罹患した方の1割は検査で陰性になる)とされています。これは発症から6時間未満でも同じような傾向です。

このことから、インフルエンザが疑わしい症状の時は、速やかに検査をして治療をすることで、ほかの方への蔓延を防ぐことが可能です。

当院で使用している検査キットは、検査結果が出るのに5分(実際は2分程度で判定可能)と言われるものを用意しています。また、発症間もない場合でも検出可能なキットも別に用意しています。

治療は?

インフルエンザに対して複数の薬剤がありますが、一番効果があるのはタミフルだと思っています。成人の方であればゾフルーザも良い選択肢です(子供には推奨されない)。他にはイナビル、リレンザ、ゾフルーザなどの薬剤がありますが、二峰性の発熱を認めることがある欠点があります。そのため、タミフルを主に処方しています。以下に薬剤について記載します。

①タミフル

1日2日カプセルを5日間内服します。処方され始めた頃、耐性ウイルスが問題になり、ほかの薬剤もたくさん開発されました。しかし、最近ではタミフルが一番安定した効果だと分かってきました。

1日1カプセルを10日間内服すると、発症予防になります。ただし、自費診療になります(診察、薬で6000円くらいになります)。

②リレンザ

1回2ブリスターを、1日2回5日間、専用の吸入器を用いて吸入します 。

③イナビル

20㎎を1回吸入します。1回の吸入で治療が完結するのがメリットです。

④ゾフルーザ

昨年から主に使用された始めた薬です。1回服用すれば良いと言われています。効果はまずまず良好とされていました。しかし、耐性ウイルスが増えていること、肺炎の合併がタミフルより多いという報告があること、タミフルが効かない例では利くことが多いとされていることから、まずはタミフル、タミフルが効かず重症化した例にゾフルーザ、というのが流れになってきています。

※リレンザ、イナビルは、二峰性発熱と言って、一旦解熱後に再度熱が出てくるという副作用があります。このため、内服困難な方を中心に処方をしています。

予防接種

予防接種は有効ですが、完全ではありません。感染を予防する効果は3割程度と言われています。しかし、重症化を防ぐことが可能であるという報告が多いです。そのため重症化しやすい小児と高齢者は接種が推奨されます。

※ワクチンは、1年後に流行する株を予想し、卵の中で抗体を培養して作ります。そのため、予想が外れることがあります。外れた年は大流行になることを考えると、ワクチンの効果はあると思います。

注射以外に生ワクチンを点鼻する方法があります。この点鼻タイプでは株の予想が外れることはありません。日本では認可を受けておらず、海外から輸入して接種しているクリニックがあります。しかし、生ワクチンは(予想が外れたときの)注射と比べると効果がある、さらに輸送の過程で有効性がかなり低下する、と言われています。そのため、現時点では推奨出来ません。