新型コロナ肺炎に関する論文より

武漢における201名の患者さんに関する論文が、JAMA(アメリカの医師会雑誌)に掲載されました。

その内容を記載し、コロナウイルスに関する情報提供をしたいと思います。

Risk Factors Associated With Acute Respiratory Distress Syndrome and Death in Patients With Coronavirus Disease 2019 Pneumonia in Wuhan, China

Chaomin Wu, MD, et al.  JAMA Intern Med. Published online March 13, 2020.

※ 中国の平均寿命が77歳(2018年)、健康寿命 68.8歳(2018年)。 日本は平均寿命 84歳(2016年)、健康寿命 74歳。

①感染した患者さん背景について

・年齢 平均51歳

 65歳以上 40名、65歳未満 161名。

・発熱 平均38.8度

 39度前後の熱の方が多かったようです。

・性別 

 男性 128名、女性 73名。男性の方がやや多いという結果です。

・武漢の市場に行った人 99名(49%)

 仮に市場が感染源だっとし、感染源で直接感染したのが半分、残り半分はヒトヒト感染と考えられます。

②初期症状

 発熱 188名(93.5%)

 咳 163名(81.1%)

 痰絡みの咳 83名(41.3%)

 呼吸困難 80名(39.8%)

 倦怠感 65名(32.3%)

 熱のみ 13名(6.5%)

熱のみの方はわずかで、多くの方が熱以外に、咳・呼吸困難・倦怠感があるとの報告です。

別の報告では、9割に倦怠感があったとされています。

このことから、39度近い熱+咳や倦怠感があるときに感染を疑うようです。

ひどい痰絡みを伴う咳の方もいますが、比較的乾いた咳が多い印象です。

③画像

 両側性浸潤影 191名(95.0%)

 片側性浸潤影 10名(5%)

 多くの方が、両側の肺が白く汚くなる、という結果です。細菌性の肺炎では、両側の影というのは無いので、ウイルス性肺炎の特徴と言えます。両側が白くなってしまう=健康な肺が少ないので、呼吸困難になります。

酸素療法を必要としたのが165名(82.1%) と大半となりました。

④治療結果

 退院 144名(71.6%)

  入院期間 平均13日

 急性呼吸不全に陥る 84名(41.8%) 

  陥るまでは入院から平均2日

 ICU入院 53名(26.4%)

 人工呼吸器管理 67名(33.3%)

  44名死去、14名退院、9名入院中

 死亡 44名(21.9%)

 非常にひどい呼吸不全を呈しますので、酸素治療が必要になります。

 入院して平均2日で急性呼吸不全になり、多くが人工呼吸器をつけますが、死去に至ります。

 人工呼吸器をつけた人(67名)のうち、44名が死去(66%)が死去ました。

⑤重症化しやすい方

高齢者、基礎疾患のある人(高血圧、糖尿病など)

まとめ

武漢における201名の報告です。この中には症状のない感染者は含まれていません。

症状のない感染者を含めれば、もっと多い人数でしょう。

症状を呈する場合、高熱、咳があり、徐々に症状が悪化し、呼吸困難になります。

そして呼吸困難になり、人工呼吸器管理になると2/3は死去してしまいます。

根本的な治療はないので、高齢者や基礎疾患のある方が感染すると命に関わります。

日本政府が発表していることと大きな違いはありません。

政府の発表の通り、自宅療養などで、移さない、移らないことが重要です。