風邪をひきました。どうすればよいの?!

内科のクリニックに御来院なさる、もっとも身近な病気は風邪だと思います。

”風邪”といっても、クリニックによって処方される薬剤が違います。処方する医師の個性が最も出るかもしれないです。

風邪のときの薬について記載していきます。

①風邪薬って何?

有名な市販薬をみてみましょう。今回はベンザブロックを例にします。

※ベンザブロックのことを記載しますが、ベンザブロックが悪いと思っているわけではありません。成分量をしっかりと明記し、さらに症状に合わせて成分量を調整している非常に優れた市販薬だと思っています。個々の薬へのコメントではないので、ご了承ください

鼻水・のどの痛み・熱。武田コンシューマーヘルスケアのかぜのタイプで選べる風邪薬|ベンザブロックプラス

ベンザブロックの中には、鼻、のど、熱で、色が異なっています。

この成分をみていきます。

黄色:ベンザブロックSプラス 1錠あたりの含有量です。

 アレルギー剤<鼻水が減る>

  ヨウ化イソプロパミド 2㎎

  d-クロルデニラミンマレイン酸 1.2 <処方薬のポララミンと同じ(通常処方では1回2㎎)>

 ビタミン剤<口内炎を改善する>

  ヘスペリジン(ビタミン剤) 30㎎

  リボフラビン4㎎(ビタミン剤) 

 カフェイン<元気になる>

  無水カフェイン 25㎎

 解熱剤<熱冷まし>

  アセトアミノフェン 300㎎  <処方薬のカロナールと同じ(1回400~500㎎)>

 咳止め

  ジヒドロコデインリン酸塩 8㎎ <処方薬のリンコデと同じ(1回20㎎)>

  メチルエフェドリン塩酸塩 20㎎ <処方薬のメチエフと同じ(1回25~50㎎)>

 喉の赤みを改善

  トラネキサム酸120㎎ <処方薬のトランサミンと同じ(1回250㎎)>

 

風邪をひくと、

  咳が出る⇒咳止め

  鼻水がでる⇒アレルギーの薬

  喉がいたい⇒喉の炎症止め(トランサミン)

  熱が出る⇒解熱剤

  口内炎ができる⇒ビタミン剤

  痰がでる⇒痰切り

となっています。

成分量を変えて、症状に合わせるように調整がされています。

上記は黄色のベンザブロックですが、銀色には痰切りが入っています。症状に応じて、色々な色のベンザブロックがあり、それぞれに含有量が異なります。

これらの薬剤(アレルギー薬、咳止め、痰切り、解熱剤など)が含有されているものを、総合感冒薬といいます。

②医療機関で処方される風邪薬は?

 僕が処方する場合、

  咳が出る⇒鎮咳薬 メジコン6錠分3

  鼻水が出る⇒抗ヒスタミン剤 ジルテック10㎎眠前

  喉が痛い⇒トランサミン

  熱が出る⇒カロナールロキソニン

  痰がでる⇒ムコダイン

 と、上記の市販薬と似ています。

医療機関で処方される含有量の約1/2~1/3が市販薬になります。市販薬の場合は副作用が出ないことに重点が置かれているため、含有量を少なく作っています。

また、処方薬ではビタミン剤を出しません(保険での処方が認められないので)が、市販薬には混ざっており、これは市販薬のメリットだと思います。口内炎ができやすい場合には、ビタミン剤含有の市販薬は良いと思います。

また、市販薬の成分は、特許のきれた古いものが多いです。特にアレルギー薬は顕著です。

上記のように、ベンザブロックには、医薬品でいうとポララミンという薬が混ざっていますが、眠気の副作用が強いために、一般的には処方をしません

古いアレルギー薬は効果が強い反面、非常に眠くなります。寝て治そう!、という場合には問題ありませんが、運転などには注意が必要です。アメリカの厚労省(FDA)は、抗ヒスタミン薬の眠気から小児の風邪には使用しない、(もう一つの副作用である)尿が出にくくなることから高齢者にも使用しないことと勧告しています。

なお、花粉症などで内服する最近の抗アレルギー剤は、眠気を起こしにくく作っています。正式には抗ヒスタミン剤といいますが、ヒスタミンは花粉症を起こす細胞以外にも頭にも存在し、頭のヒスタミンが作用すると眠くなるとされています。新しい花粉症薬は、頭への移行を限りなく少なく作っていますので、安心して使用できます。昔の抗アレルギー薬は、頭にも花粉症の細胞にも広く作用するので、よく効くけど眠くなります。

古いアレルギー薬が混ざっているため、総合感冒薬を子供に服用させることは推奨できません。また大人でも飲む場合には眠くなることは理解して内服した方が良いです。なお、眠くならないという人がいますが、内服後に計算をすると点数が悪化するとの報告があり、判断能力が低下していることを理解してください。

医薬品に総合感冒薬があるか? 答えはあります。PL顆粒というものです(市販薬のパイロンPL顆粒と同じ)。

これは解熱剤、咳止め、抗アレルギー剤が混ざったものですが、非常に古い眠気の強い抗アレルギー剤が混ざっているため、市販薬同様に眠くなります。眠って治したい、前にも飲んだことがある、という方以外、僕は処方しません。風邪っぽいから眠って治してしまおう!という人に最適で、普通の睡眠薬以上に良く眠れます。特に御高齢者では、尿が出なくなりますので、注意が必要です。メリットの一つが安いことです。

③どうすれば良いのか?

市販薬は、眠くなる可能性、また効きが弱い(含有量が少ない)可能性を理解いただいた上で、短期間服用するのがお勧めです。

特に若い人が休日に風邪をひいてしまったときは、飲んで眠るのが良いと思います。

休日診療所を無理に受診すると病気を貰ってしまう可能性があるので、1日、2日程度であれば、市販薬が良いのかなと思います。

お子さんや病気を有している方、御高齢者(特に高齢男性)は、処方薬の方が良いと思います。頻回に風邪をひいてしまう場合には、処方薬を多めに処方して貰って、家にストックしておくのも良いと思います(ストックでの処方を嫌う医師が多いため、こっそり家に残しておくのが良いですよ)。

・抗生剤を服用する必要性がある場合もあります。そのことは次項に。

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