胃痛について

胃薬の基本

 胃薬は、以前は粘膜保護薬がメインでしたが、最近では胃酸を抑える薬がメインになりました。市販の胃薬の大半は粘膜保護剤であり、一時的に症状は軽快しますが、改善するには至りません。

・PPI(プロトンポンプ インヒビター)

 第一選択薬です。

 タケキャブ、ネキシウム、パリエット、タケプロンというのが主な薬剤です。後発品が出ている薬も多いので、名前が変わっている可能性があります。

 この薬は胃酸を抑える効果が強いですが、効果が出始めるのに3日間かかるのがネックです。しかし3日経過すると7割くらいの方が、2週間経過すると9割の方の症状が消失します。効きはじめは遅いですが、効果は強いです。

 日本では武田薬品が作ったタケプロンが、世界ではネキシウムが一番使用されてきました。数年前にタケプロンの改良版のタケキャブが処方開始になりました。現在ではタケキャブが胃酸抑制効果が一番強いです。次はネキシウムというのが、処方している感覚です。タケキャブは錠剤、ネキシウムはカプセルなので、飲みやすさを優先するときは水の要らないOD錠(タケプロンODやオメプラールOD)を処方することが多いです。

H2ブロッカー

 PPI登場前は第一選択でしたが、今は第二選択という印象です。

 ガスター、アシノンなどがあります。

 上述のPPIは1日1回で十分効くのに対し、こちらは1日2回服用が必要です。また胃酸を抑える効果も劣るため、メインはPPIになります。メリットとしては即効性があるところです。PPIが効き始める3日間を待っている余裕がない時はH2ブロッカーを使用します。

・消化運動改善薬

 PPIやH2ブロッカーは胃酸を抑えるだけで、胃の動きをよくすることが出来ません。そこで、消化運動改善薬を使用して、胃が思い感じや腹満感を改善することがあります。一番使用されている薬がガスモチンになります。PPIと一緒に使用すると効果が良いため、同時に処方することも多いです。

粘膜保護剤

 最近は使用しません。効くとされるデータに欠けています。

飲むことでスッキリするという方がいます。そういう方には継続します。また、痛み止めのロキソニンによる胃のただれを防ぐためにムコスタという胃薬が良く使われています。

胃の痛みを感じたときに、何か病気が潜んでいる可能性はありますか?

もちろん、あります。

胃痛(胃炎、胃潰瘍)は、空腹時(胃酸を中和する食事が存在しないとき)、満腹時(大量の胃酸がでて十二指腸に流れ込む)など、食事との関係が強いです。また腹部診察では所見がありません。

⇒食事との関係がないときや、診察で押したときの痛みが著しい時などは、別の病気を考えて、病院へ紹介する事があります。

また、胃潰瘍の際に大量に出血している場合は止血処置を急ぐ必用があります。胃内に血が混ざると、血が酸化され、のりの佃煮のような真っ黒な便になり、強い吐き気を伴います。こういうときは大急ぎで病院です。

PPIを2週間内服しても改善しない痛みは、胃カメラをすることをお勧めします。胃癌や特殊な病気が潜んでいる可能性があります。

あと、胃痛にはストレスの影響が大きいです。そのため、抗うつ薬の処方で胃の痛みが改善することもあります。

”なぜ痛いのか?””何かおかしなことが体に起きているのではないか?”と考えると、ストレスが大きくなり、痛みが増すという悪循環に陥ります。胃薬を2週間飲んで改善するのかを見る、ただそれだけです。悩むよりも受診してみてください。

※保険適応の関係で、胃薬は2か月以上の長期にわたり処方を継続する場合に、減量や一時中止といった対応を取る必要があります。

胃痛の方の中に、”機能性ディスペプシア”という方が多いです。それは別のページにて記載します。

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