花粉症

11月、12月、1月とインフルエンザの流行が続きますが、それが収束する時期になると、花粉症の季節がやってきます。早い方では年明け頃から花粉症症状が出始めていきます。3月、4月頃になると本格的な流行になりますが、症状が強くなる1ヶ月以上前から薬を服用開始することが推奨されています。花粉症はマスト細胞(アレルギー細胞)に火が付いて生じますが、火が付いたあとでは症状鎮火が難しいため、1〜2ヶ月前から服用することで火を付けないようにすることが重要です。

花粉症の治療は耳鼻科、目薬は眼科、と渡り歩く必要はありません。花粉症の治療は内科を受診して、内服薬、目薬、点鼻薬とセットで処方を受けるのが一番スムーズです。

なお、関東、中部地方は花粉症の患者さんが非常に多いです。山梨県などに杉の木が多いから、とされています。

花粉症の薬について

①内服薬

マスト細胞(アレルギー細胞)が放出するアレルギー物質 ヒスタミンをブロックする、抗ヒスタミン薬を主に使用します。ヒスタミン受容体は頭にも存在しています。頭のヒスタミンは、ストレスや眠りに影響を与えます。そのため、抗ヒスタミン薬を内服すると、眠くなる副作用があります。花粉症として主に使用する薬剤としては、眠気の少ない(頭へ移行することが少ない)抗ヒスタミン薬を主に使用していきます。

主な抗ヒスタミン薬

ザイザル:1日1回服用します。世界でも最も普及している抗ヒスタミン薬の一つであるジルテックを改良した薬剤です。安全性が高く、効果も良好であることから、最も使用されている薬剤の一つです。なお、ジルテックは使用経験が豊富な薬剤であり、妊娠中も問題ないであろうと言われています。その改良薬であるザイザルも、おそらく妊娠中も大丈夫と思われます。

デザレックス:ジルテックと並ぶ使用量の多い薬剤でクラリチンという薬がありました。クラリチンの改良版として作られたのがデザレックスです。”授乳中に使用する際に安全な薬”として、クラリチン、デザレックスが記載されています。そのため、授乳中の方によく処方をしています(ただし、ザイザル、ジルテックなどの他の抗ヒスタミン薬も安全性は高いと思われます)。

ビラノア眠気の来ない抗ヒスタミン薬です。運転時の注意喚起などの記載がない薬で、眠くなることで支障が出る方に良く処方されています。効果もまずまず良好です。空腹時に内服しないと効果が低下します。前の食事から2時間後〜次の食事の1時間前であれば、日中に内服することも可能です。内服すると30分程度で鼻水が減少するため、症状の強い時間帯に内服するのが良いです。

アレロック(オロパタジン):現在花粉症の薬と使用されている中で、効果は一番強いとされています。一方で眠気も強いです。眠気が問題なければ、この薬が一番良いでしょう。7歳以上は成人と同じ量を服用します。後発品があるため、費用負担が少ないのもメリットです。

ルパフィン:最近販売になった薬の一つです。眠気が強いですが、効果も非常に強いです。特に鼻詰まりによく効くとされています。

タリオン:日本で一番処方されている花粉症の薬です。1日2回服用します。効果もまずまず。

アレグラ:これも昔から処方されています。眠気が少ないのが特徴ですが、効果も弱い印象です。アレグラは古い薬であり、市販化もされています。アレグラで落ち着くのであれば、アレルビというアレグラと同成分(しかも量も同じ)が販売されています。しかもAmazonで1ヶ月分1000円以下。アレグラで症状が取れる方は、受診するよりAmazonで購入したほうが安いです。

日本では、タリオン、ザイザル、アレグラ、アレロックの順に処方量が多いです。それに加え、最近処方開始になったビラノア、デザレックスが処方量を増やすであろうと言われています。

→眠気が問題ないならアレロック(オロパタジン)やルパフィンを、眠くなるのを避けたい人はビラノアが推奨されます。また、眠くなる、眠くならないというのは、個人の感じ方によるところも大きいため、飲み慣れている薬を継続していくのが一番安全です。そのため、「例年は〜を内服しています」という形で教えていただけると助かります。(僕自身はジルテックが体に合うと思っています。ジルテックの改良版であるザイザルは眠気を感じてしまいます。人によって感じ方が違います。)

また、アレロック、アレグラ、ジルテックなどは後発品があるため、費用負担が下がります。一方で、ザイザル、ビラノア、デザレックス、ルパフィンなどは後発品が存在しないため、費用負担が大きいです。費用面や効果、眠気を踏まえて、薬剤選択するのが良いと思います。

②点鼻薬

アラミスト:一番使用されている点鼻薬です。目の症状にも有効であるとされます。

ナゾネックス:アラミストが販売開始になるまではナゾネックスが主に使用されてきました。

エリザス:アラミストやナゾネックスはステロイドの液体を噴霧します。そのため、液だれをすることがあります。液垂れすると咳き込みになってしまったり、化粧が落ちてしまいます。そこで、粉を噴霧するのがエリザスです。

「エリザス」の画像検索結果

点鼻薬の効果にあまり差はありませんので、デバイスの形状で選ぶのが良いと思います。

上記3剤以外にも点鼻薬はあり、血管収縮薬が主です。血管収縮薬は効果がありますが、副作用も強いため、基本的に使用することは推奨されていません。

③点眼薬

抗ヒスタミン薬の点眼薬が主に使用されます。

パタノール点眼液:最も使用されている目薬です。あまり滲みないのと、効果も良好であることから、良く使用されています。

アレジオン点眼液:コンタクトレンズを使用している場合に、コンタクトレンズを傷つけてしまう成分が含まれている点眼薬をさすことを避ける必要があります。アレジオン点眼薬は、コンタクトレンズに傷をつけるような防腐剤を含まない(違う防腐剤が入っています)目薬であり、コンタクトレンズの上から点眼することが可能です。

コンタクトレンズをしている方はアレジオン点眼液を、コンタクトレンズをしていない方はパタノール点眼液を処方します。アレジオン点眼は1日4回指すものと、濃度を高めて1日2回にしているものの2種類があります。

④その他

アレルギー反応を最も強力に抑える薬はステロイドになります。そのため、症状が非常に強い場合には、ステロイド含有の内服薬であるセレスタミンなどを使用することがあります。しかし、ステロイドは副作用が強いため、ステロイドを使用する場合には1週間以内に限った方が良いです。

最後に

花粉症の治療は、内服、点鼻、点眼がセットになります。また飲み慣れた薬を使用するのが良いので、遠慮なく「〜という薬をください」とお伝えください。

特に拘りが無ければ、

ザイザル5mg 1錠 就寝前

アラミスト点鼻薬 1日1回 1回2噴霧ずつを両鼻へ

パタノール点眼液 1日3回 1回1〜2滴を両目に

という処方をしています。

花粉症の根本治療として、減感作療法というものあります。以前のブログでも記載していますので、ご参照ください。

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