胆石症について
2019年7月1日 2020年2月20日
日本消化器病学会では、胆石症に関するガイドラインを発表しています。その内容から一部抜粋し、記載していきます。
胆石の保有率は?
日本人の胆石保有率は約5%と言われています。 日本における保有率も上昇傾向にあると推測されています。
胆石の原因は?
出産を経験した、肥満体系の、飲酒をする、50歳代女性、というのがリスクになると思われます。他には中性脂肪が高い人なども言われています。
胆石の種類
頻度が多いのはコレステロール結石。他にもビリルビン結石、黒色石などがあります。ビリルビン結石は細菌感染により、黒色石は血液疾患により生じるとされていますが、詳細はまだ分からないことが多いです。
胆石があると如何なる?
胆石に伴い、胆のう炎、胆管炎、膵炎などを起こします。その重篤な病気の頻度は年1~3%と言われます。
胆石が原因で癌化することはある?
明確な因果関係はありません。
症状のない方に対する治療は?
治療をしないことが推奨されています。ただし、年に1回程度のエコー検査が推奨されています。
症状がある人への治療は?
腹腔鏡手術が推奨されます。ただ、腹痛などの症状のみで、胆のうの機能が良く、レントゲン写真に写らない胆石の場合に、ウルソを服用することが推奨されます。
胆石に伴う腹痛を認めた場合、そこに細菌感染を合併すると胆のう炎になります。胆のう炎にまで至った場合には、胆のう切除が良いです。胆のう炎まで至っていない場合には、胆のう炎への移行を予防するためにもウルソの内服が良いとされています。
胆のう以外に胆石を認める場合には?
総胆管や肝内胆管に結石を認めた場合には、治療が必要になります。その場合には、入院可能な消化器内科を受診いただき、方針を決めていきます。