子供の鼻水について
11月に入り、気温が下がってきました。インフルエンザワクチン接種に来るお子さんたち、殆どの子が鼻水がでると言っています。秋~冬は、鼻水が沢山出ます。この時、どうするべきでしょうか。
①抗ヒスタミン薬の必要性について
鼻水がでるとき、その理由として、A.風邪 B.アレルギー性鼻炎 があります。
Bのアレルギー性鼻炎については、抗ヒスタミン薬という、いわゆる花粉症の薬が効きます。薬では、ポララミンやザイザル、オロパタジンというものです。
一方で、Aの風邪の鼻水について。抗ヒスタミン薬は風邪の鼻水を減らす効果は無いです。また抗ヒスタミン薬のデメリットとして、眠気、活動性の低下があります。そのため、風邪による鼻水の場合には、抗ヒスタミン薬は効果がなく、さらに眠い・活動性低下といった副作用を生じるため、処方を避けるべきであるとされます。
A.風邪か、B.アレルギー性鼻炎なのか、その違いについて。B.アレルギー性鼻炎は、感冒症状を伴わずに、サラサラとした水のような鼻水がでているときに疑います。喉が痛い、微熱がある、粘っこい鼻水がでるとき、それはA.風邪であり、抗ヒスタミン薬は有害無益です。アレルギー性鼻炎が背景にある患者さんが風邪をひいたときには処方することもありますので、実際には症状を確認して決めていきます。
②抗生剤の必要性について
お子さんの風邪の9割はウイルス感染です。そのため、抗生剤は原則不要です。のどが腫れている時(扁桃炎)、耳に違和感があるとき(中耳炎)、鼻水がでて頭が重い時(副鼻腔炎)の時には抗生剤処方を検討しますが、基本的には症状を抑える薬を使用し、3~4日しても症状はピークを越えないときに抗生剤を処方します。
③どうやれば風邪は早く治るの?
加湿や休養などです。こうすれば治ります、というのはありません。そして、子供の風邪は1~2ヶ月程度持続することが多いとされ、大人より罹患期間が長いのが特徴です。また、大人は年に4~5回風邪をひきますが、子供は年に10回以上風邪をひくため、治りきる前に次の風邪をひく、というのを繰り返します。
※耳鼻科などで実施している、鼻水の吸引について。一時的には症状は軽くなりますが、風邪を治す効果はありません。症状を軽減する有効な方法だと思いますが、効果が一時的であり積極的には推奨しません。
まとめ
風邪は基本的には自然に治る病気です。鼻水や咳があっても、元気に過ごしているならば、特に薬は必要ありません。しかし、鼻水や咳が酷くて眠れない、食欲が低下しているなどの症状があるときには薬剤を使用します。この風邪は様子を診ていて良いの?と疑問に思うこともあると思います。その時は内科、小児科を受診して、重篤な所見が無いのかを確認して、必要最低限の薬剤で対応するのが良いと思います。