どの薬が使われているのか?

【2020年/国内医療用医薬品売上高上位10製品】(集計期間:2020年1月~12月)(売上高は薬価ベース)(順位/前年順位/製品名/社名/売上高(百万円)/前年比(%)): 1/1/キイトルーダ/MSD/120,066/▲6.5 |2/4/オプジーボ/小野薬品工業/107,616/9.5 |3/2/アバスチン/中外製薬/102,925/▲12.8 |4/7/タケキャブ/武田薬品工業/97,904/15.8 |5/5/ネキシウム/第一三共/93,741/0.3 |6/3/リリカ/ファイザー/93,256/▲8.1 |7/8/タグリッソ/アストラゼネカ/92,578/13.0 |8/6/リクシアナ/第一三共/89,718/▲1.7 |9/―/アジルバ/武田薬品工業/80,096/7.5 |10/9/サムスカ/大塚製薬/80,057/2.9 |※IQVIA医薬品市場統計をもとに作成
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/20476/

昨年の日本における薬の売上げランキングです。薬価×投与人数により、売上高が決まります。そのため、後発品がある薬は原則としてランキングに載ってきません。

ランキングの1位、2位、3位、7位は、がんに対する免疫療法です。ともに非常に高額な薬剤ですので、投与人数が少なくても売上が上がります。

一般の薬剤でいくと、4位のタケキャブが一番売れていることになります。4位タケキャブ、5位ネキシウムともに、胃薬です。これだけ胃薬が売れているということですね。合わせると1900億円ですね。薬価は大体250円です。合わせて7.6億錠処方されている計算になります。

6位 リリカは、しびれを取る薬で、整形外科で主に処方されます。数年前には売上1位になった薬です。順位が下がった理由は、後発品が出たからです。そのため、実際には処方されている数は非常に多いです。1錠36円(後発品)ですので、26億錠処方されていることになります。

8位 リクシアナは、抗凝固薬です。血栓予防につかう薬剤です。薬価411円と比較的高い薬剤です。

9位 アジルバは高血圧の薬です。ディオバン、ブロプレス、ミカルディス、オルメテックと、高血圧には非常に売れている薬剤が多かったです。非常に売れていましたが、ほとんどが後発品に切り替わり、売上が減少しました。アジルバはまだ後発品がない薬剤で、費用が高いです。数年以内に後発品に切り替わり、ランキングから消えると思われます。

10位 サムスカ。心不全の薬です。良い薬剤ですが、原則として入院下で導入するのがネックですね。

このように、薬の売上は後発品があるのかどうか、に大きく依存します。また、胃薬は処方量が多い、というのがお分かり頂けると思います。