胸の音は服の上?裸?
京都新聞の記事がYahooニュースに載っていました。
そこにはたくさんのコメントが載っていました。
非常に興味がある方が多いことだと思いますので、そこについて見解を記載します。
(上記の記事の写真は、京都新聞のサイトより転載しました。著作権の関係で、文面へのリンクは貼っていません)
①服の上から聴診をするデメリットは?
服が擦れる音と、心臓の雑音が混ざり合うことがあり、正確な聴取には肌の上からするべき、とされています。
②服の上から聴診するメリットは?
・恥ずかしいこと
服の下に聴診器をいれて聞くこともあります。これは、非常にやりにくい。
また、狭く、全く見えないスペースに手を入れるので、肌に手が当たってしまう、胸に触れてしまうことがあります。
・感染の上からも良くない
皮膚に直接聴診器をあてることで、聴診器が感染の媒体になる危険性があります。
③どうする?
風邪を引いているときに、肺に雑音がある確率はどのくらいでしょうか。
あくまで感覚的なことになりますが、100人いたら1~2人位なのかなと思います。
風邪をひく頻度はどのくらいか、これは月に1回程度とされています。
頻回に風邪をひき、そのたびに裸を晒す必要があるか。
嫌な思いをして診察をうけても、殆どの方が正常の肺音です。
服の上からでもある程度聞こえますし、レントゲンや酸素飽和度といった聴診器以外の医療器具もあります。
→当院では、服の上からの聴診を基本とします。
ただし、未就学児(心音が大きいため、呼吸音が聞こえにくい)、酸素飽和度が低い方は、肌の上からの聴診をします。
可能であれば、薄い服の上からの方が良いので、薄いシャツの上に服を羽織るような形で来て頂けると嬉しいです。
④その他
小学校の検診では、脊柱、運動器の観察が義務付けられています。
また肌をみると、その方の栄養状態や愛され方がある程度わかります。
そのため、肌を見ないといけないです。
小学校の検診だけは、服を脱いでもらうしか無いです。お許しください。
⑤最後に
風邪を引いたときに、ストレスなく受診してほしいと思っています。
”風を引いた”→”裸で診療を受けるのは嫌”→診察に行かない、というのを避けたいと思っています。
なお、肌の上から直接聴診してほしい、という場合にはお声がけください。そのように対応致します。