花粉症について ①総論

少し時期が過ぎましたが、花粉症について記載します。

はじめに

花粉症は国民病といっても良いほどに、罹患率が高い病気です。ある調査では、スギ花粉症は約20%の有病率だったようです。病気と認識していない人(受け入れたくない人というべきでしょうか。私もですが)はもっといるので、実際には4人に1人はスギ花粉症で治療が必要なんでしょうね。

東京都健康安全研究センターが毎年実施している調査によれば、治療に不要な軽症の人を含めると有病率は約5割になってきており、さらに年々増加傾向にあります。有病率は5割、そのうち半分くらいは治療が必要な状態、という認識でよいのかなと思います。

スギ林の面積は日本国土の12%、しかも沖縄以外の全国に存在します。

材木を増やす、緑を増やす目的で実施されている植樹祭は、スギを植えるイベントです。こうして植樹していったスギが年数経過して立派な樹木に成長し、花粉の飛散量が急増しているようです。伐採される樹木が減ってきており、花粉の飛散量は今後も増え、花粉症の患者さんも増えていくと予想されます。

山梨や長野あたりの山林にもスギが多数存在しており、それが偏西風に乗って、中部地方に流れてきます。日本で一番花粉症の罹患率が高いエリアは中部地方、特に愛知県あたりと言われています。耳鼻科の開業医が最も多いのも、このエリアですね。

花粉症なのかどうか、日本アレルギー協会の作成したフローチャートを記載します。

スギ花粉の飛散時期は2月から5月と言われます。雨上がりの翌日で良く晴れた乾燥した暑い日に特に飛散します。花粉症の治療は飛散時期の少し前から、と言われており、1月頃から内服加療が開始し、ゴールデンウィークになると内服治療が終了するイメージですね。

花粉が飛散し、体内に入ります。体内では花粉を異物と認識し、それを排除する抗体ができます。そして免疫反応が起きますが、免疫反応が起きる場所が肥満細胞です。肥満細胞内のヒスタミン受容体に抗体が結合し、ヒスタミンなどのアレルギー物質を放出します。アレルギー物質がくしゃみや鼻水の原因です。

治療

花粉が付かないようにする。マスクとか、家に入るときに叩くといったことですね。

ヒスタミン受容体をブロックして、アレルギー物質の放出を抑制する。いわゆるアレルギー薬といわれている薬は抗ヒスタミン薬になります。

・アレルギー反応により、粘膜が炎症を起こすのを防ぐ薬も症状緩和に役立ちます。ステロイドです。

・そして最近、花粉が付着しても体が反応しないようにする減感作療法というのが行われるようになりました。

⇒花粉を除去すること、減感作療法をすることが一番良いですね。

花粉が付いて反応してしまった時の症状を抑えるのが、対症療法(抗ヒスタミン薬とステロイド)になります。

次の項は対症療法についてです。