検診異常・肝機能障害について

健康診断で肝機能障害を指摘される方が非常に多いと思います。

どのくらいの方が検診異常で引っかかると思いますか?

http://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2016/005586.php

上記は人間ドック学会の2015年の統計になります。

異常なし:5.6%

異常としては、肥満(30.4%)、耐糖能異常(24.7%)、高血圧(24.0%)など。

ほかにも、脂質異常症(中性脂肪やコレステロールの高値)や肝機能障害の頻度が多いです。

飽食の時代となり、摂取カロリーの増加、運動量の低下を反映し、これらが異常値になっていると思われます。すべてが正常値になる人が5%しかいないというのは、すごいですよね。

肝機能障害について

当院では消化器内科を掲げていることもあり、肝機能障害で引っかかった方の受診が多いです。

上記の、肥満は病院受診しても改善しないですし、 耐糖能異常や高血圧などは加療中の方が多いので、実際に検診異常から受診に至る原因としては、肝機能障害が多いと感じています。肝機能障害は、検診の中で20~25%、つまり4~5人に1人の確率で異常値になっています

肝機能障害の原因は何か?⇒圧倒的に脂肪肝が多いです。

脂肪肝の特徴は?

肝機能のうち、ASTよりもALTが高いことが一般的です。

そして肥満体系であることが多いです。

ALT優位の場合は脂肪肝の可能性が高いので、腹部エコー検査を実施しています。腹部エコーで脂肪肝の所見があれば、まずは運動・減量から始めます。Dataの改善が芳しくなければ、他の疾患を考えて精査するようにしています。

脂肪肝の所見は?

エコー検査をした際に、肝臓がキラキラと光って見えます。

脂肪肝の治療は?

現時点で有効な薬は見つかっていません。運動、カロリー摂取量を減らすことが治療です。

脂肪肝を放置するとどうなるの?

肝硬変症、肝癌へと進行することがあります。ただ、確率は低いです。

脂肪肝以外の肝機能障害は?

アルコール性、B型肝炎、C型肝炎などがあります。これらはAST優位な肝機能障害を認めます。

AST優位な場合には、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなど、原因精査が望ましいです。

最後に

検診異常を認めたら、御来院ください。病院を受診すると、各種原因検査の項目のチェック、後日エコー検査などを組むため、複数回の通院が必要になります。当院にいらっしゃれば、同日エコー検査をしますので、基本的には1回で終了します。