動脈硬化

健康診断を受けると、悪玉コレステロールが高いとか、血糖値が高いとか、血圧が高いとか、色々指摘を受けます。これからは動脈硬化に関係する因子です。そして、動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞といった病気の原因になります。

日本人は、癌、脳卒中、心筋梗塞が三大死因です。癌の機序が解明されていない部分が多いため、予防することが現時点ではできません(勿論、肺癌や口腔癌のようにタバコとの因果関係がしっかりある癌は禁煙で予防できます)。癌以外の、脳卒中や心筋梗塞は、動脈硬化ゆえの病気ですので、動脈硬化を予防することで、病気の予防が可能です。

動脈硬化の原因は?

喫煙、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、心筋梗塞や脳卒中の家族歴、の5つがリスクファクターとされます。一つあればリスクが2~3倍、複数重なれば10倍以上になると言われています。

このリスクに応じて、コレステロールの治療を開始するべきか、経過を診るべきかなど、治療の方針を決めていきます。

その参考になるのが、日本動脈硬化学会が提示しているものです。アプリもあります。以下にサイトを記載します。

http://www.j-athero.org/publications/gl2017_app.html

例として、働き盛りの男性がコレステロールが高いと指摘をされた場合。

 特に病気はなく、コレステロールのみを指摘されたとすると、動脈硬化のリスクは中等度。確率は4%程度です。この場合には、内服治療をせずに経過観察とします。

次に全く同じ条件で、年齢のみを上げたものです。高齢になると、動脈硬化性疾患のリスクが増します。40代でコレステロールが高い場合には経過観察ですが、60代ならば治療をするべきとなります。

全く同じ条件で女性の場合は、リスクが下がります。女性ホルモンは動脈硬化を防ぐ効果があり、その影響で女性の方が動脈硬化の進行が遅いからとされます。

このように、年齢や男女、血圧など、様々な要因をプロットし、治療をするべきか、経過観察で良いのかを判断してくれます。

なお、糖尿病のある方、脳梗塞のある方、腎機能が悪い方などは、値に関係なく治療の適応になります。

動脈硬化の治療は?

まずは運動、食事です。運動は有酸素運動が良いとされます。

食事ですが、欧米ではDASH食というのが推奨されています。 Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事方法) とされます。 カリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、たんばく質の摂取量を増やし、一方、飽和脂肪酸とコレステロールを減らしましょうとされます。具体的には、野菜(特に色が濃いもの)や果物を増やし、肉を減らしましょうとされます。

日本では、DASH食というよりも、日本食で良いとされています。ただ日本食は塩分が多いため、塩分を控えめにした日本食が動脈硬化を予防する食事とされています。伝統的な日本食は、動脈硬化を予防する効果がありますので、食事の和食化が体に良いのかと思います。

まとめ

ご自身の採血結果などを入力し、治療が必要なのかを確認してください。必要であれば、治療をしていきましょう。