マイコプラズマ感染に関して
2024年11月9日
今年8月以降、咳が長いという患者様が急増しています。
月に20~30件程度、当院ではレントゲン撮影をしています。
10月は、100件を超えました。
そして、数十人が肺炎でした。
皆、マイコプラズマ肺炎と考えられます。
①症状
最初は感冒症状です。
お子様は熱が出ることもありますが、一般的には平熱~微熱程度です。
3~4日程度経過すると、咳が出始め、徐々に悪化していきます。
そして、「1週間程度咳が止まらない」と来院なさると、肺炎を呈しています。
自然治癒することも多い病気です。元気であれば、様子観察でも良いと思います。
ただ、時々 重度の肺炎になります。
そのため、咳が止まらない、熱が出てきた、食事が取れないなどの症状を呈した場合には、レントゲン撮影する必要があります。
なお、風邪をひいた直後は、レントゲン撮影しても、異常を認めません。
②診断
抗原検査はありますが、正確性が非常に低いです。
感染している患者さんの、約2割しか、抗原検査陽性になりません。
つまり、検査で陰性であっても、感染している可能性を否定できません。
また、検査に15~30分程度の時間を要するため、通常は検査をせずに、経過から診断を下します。
時々「マイコプラズマかどうかの検査をしたい」という問い合わせをいただきますが、PCR検査か採血で確定診断になります。当院は両方実施していませんので、ご了承ください。
③治療
まずは、クラリスやジスロマックという抗生剤を使います。
ただ、今年はクラリス耐性のマイコプラズマが流行したため、ニューキノロン(ラスビック、クラビット、オゼックス)か、テトラサイクリン(ミノマイシン)を使います。
小児科学会より、注意喚起の文章がでています。
そのPDFを載せますので、ご参照ください。