マイコプラズマ感染に関して

今年8月以降、咳が長いという患者様が急増しています。

月に20~30件程度、当院ではレントゲン撮影をしています。

10月は、100件を超えました。

そして、数十人が肺炎でした。

皆、マイコプラズマ肺炎と考えられます。

①症状

最初は感冒症状です。

お子様は熱が出ることもありますが、一般的には平熱~微熱程度です。

3~4日程度経過すると、咳が出始め、徐々に悪化していきます。

そして、「1週間程度咳が止まらない」と来院なさると、肺炎を呈しています。

自然治癒することも多い病気です。元気であれば、様子観察でも良いと思います。

ただ、時々 重度の肺炎になります。

そのため、咳が止まらない、熱が出てきた、食事が取れないなどの症状を呈した場合には、レントゲン撮影する必要があります。

なお、風邪をひいた直後は、レントゲン撮影しても、異常を認めません。

②診断

抗原検査はありますが、正確性が非常に低いです。

感染している患者さんの、約2割しか、抗原検査陽性になりません。

つまり、検査で陰性であっても、感染している可能性を否定できません。

また、検査に15~30分程度の時間を要するため、通常は検査をせずに、経過から診断を下します。

時々「マイコプラズマかどうかの検査をしたい」という問い合わせをいただきますが、PCR検査か採血で確定診断になります。当院は両方実施していませんので、ご了承ください。

③治療

まずは、クラリスやジスロマックという抗生剤を使います。

ただ、今年はクラリス耐性のマイコプラズマが流行したため、ニューキノロン(ラスビック、クラビット、オゼックス)か、テトラサイクリン(ミノマイシン)を使います。

小児科学会より、注意喚起の文章がでています。

そのPDFを載せますので、ご参照ください。