熱中症にご注意を!
梅雨が明け、急激に熱くなりました。熱中症で亡くなっている人がでています。
熱中症って?
体温を一定に保とうとする自律神経機能を超える高温環境や、加齢や基礎疾患などによる自律神経機能の低下により熱の放散が障害され、体の中に熱がこもり、さまざまな症状が生じる病態を熱中症とよびます。
体温より高い環境に曝されると自律神経機能が効きません。つまり、気温が35度を超えると非常に危険な状態と言えます。
また、御高齢者は”汗をかきません”と皆さん仰います。そしてエアコンをつけることを嫌がります。これは加齢により、発汗をして体温調整をする機能が低下しているから生じる現象です。大量には汗をかきませんが、ジワジワと汗をかくため、それが冷え、風が当たると寒いと訴えます。そのため、エアコンを切り、窓を閉め、服を着ます。しかし、体温調整機能が低下している高齢者は、熱を冷ますことも出来ませんので、周囲の温度が上昇すると体温も上昇してくるため、非常に危険です。 こうして屋内で熱中症になり、お亡くなりになる御高齢者が多数います。
診断
暑い環境で生活をしている方が、めまいや不調を訴えた場合に、熱中症を疑います。
熱中症にはⅠ度~Ⅲ度まで存在します。昔は熱痙攣や熱射病と名前を分けていましたが、現在は全て熱中症になります。Ⅰ度は意識障害を伴わずに、めまい、たちくらみ、こむら返りなどを認めます。Ⅱ度は軽度意識障害、Ⅲ度は重度意識障害です。Ⅱ度異常では医療機関への受診が必要になります。
治療
暑い周囲の環境からの離脱と水分補給が基本です。意識障害のないⅠ度であれば、換気をする、エアコンや扇風機をつける、作業を中断して休む、OS-1などの水分摂取をする、などが治療です。Ⅱ~Ⅲ度は意識障害があり、水分摂取が難しいことや急いで対応する必要があるために、冷やした点滴を投与するなどの対応が必要になります。
どういうのを飲むべき?
水分と塩分を摂取することが必要です。またキンキンに冷えた飲み物は大量摂取が難しいため、ぬるま湯~やや冷えた、塩分を含む水分摂取(OS-1やスポーツドリンクなど)を摂取することが推奨されます。
一番速やかに治す方法は、「点滴をすること」だと思います。めまい、たちくらみなどの症状を認めた際には来院ください。点滴をして速やかに改善しましょう。
※熱中症で亡くなる方が例年いらっしゃいます。畑の横で倒れていたという熱中症の方を以前に看取ったことがあります。Ⅲ度の熱中症まで至ると、どんな治療をしても改善することは困難です。大事なのは、「何か変である」、と思った時に、速やかに対応することです。体温調整が破綻している状態なので、急速に悪化していきますので、早め早めに対応をしましょう。