心療内科のご案内

当院には、精神的につらい、苦しいという患者様が多数来院なさいます。

なぜ、当院で心療内科の診療をするのか、他と何が違うのかなどをご案内します。

A. 精神的につらくなる人は多く、受診できる医療機関は少ない。

・精神的につらくなる方が非常に多い

 精神がつらくなる割合は、5人に1人 と言われます。

  5人に1人は、生涯を通じて1回以上、安定剤や抗うつ薬を服用します。

 定期的に通院なさっている方(認知症も含む)は、400万人以上おり、年々増加しています。

  通院なさっていない潜在的な患者さんが倍以上要ると推測され、人口の10%程度は常に精神的に悩んでいます。

 →「10人に1人は常に不安などを抱えており、5人に1人は病院を受診したことがある」といえます。

 精神的につらいというのは、ありふれた症状であると思います。

・受診する医療機関は少ない

 不安などの症状がある方で、心療内科や精神科に最初から受診なさるのは1~2割と少ないです。

  8割は内科を受診しています。

 心療内科や精神科にとっての専門領域は大うつ病(症状の強いうつ病)や統合失調症であり、精神的に少しつらい鬱状態=大した病気ではない、という扱いを受けてしまう可能性があります。そして、心療内科や精神科を受診する場合に事前予約が必要ですが、多くの医療機関で1ヶ月後です。そのため、1ヶ月は耐えていく必要があり、ハードルが高いです。

 一方で、内科医の中で、心療内科領域に理解がある医師は非常に少ないです。感覚としては、5%以下しか居ないだろうと思います。

→このように、軽い鬱状態は、精神科、心療内科、内科、どこに行っても対応してもらえないことがあります。こうして苦しむ方が多いため、当院は心のケアもする内科である、として対応しています。

 

B. 薬剤はよく効きます

・治療の中心は、投薬治療です。

 昔は、カウンセリングなどの心理療法が主体でしたが、現在は投薬治療が基本になります。

 セロトニンというホルモンと、ストレスとのバランスによって症状が出ます。そのため、治療として、①セロトニンのホルモン量を増やす、②ストレスをへらす、ことになります。

 効果が早く出るのは、セロトニンを増やす投薬治療です。

 精神的に辛くなると、感情がネガティブになります。そのときに、ストレスを減らそう、ポジティブシンキングにしよう、といっても無理ですので、まずは投薬治療をして、そこで安定してきたら、ストレス軽減や、ストレスを感じにくい考え方に切り替えていく、といった心理療法が必要になっていきます。

 投薬治療で、おおよそ8割の方は改善していきます。投薬治療は内科でも可能です。

・心理療法を併用することもあります。

 薬剤を使用して一時的に改善しても、ご本人様の考え方、物の捉え方を変えていかないと、つらさからの離脱が出来ないことがあります。そのために、カウンセリングを併用することがあります。カウンセリングは臨床心理士などが実施しますが、精神科(もしくは心療内科)で実施し、自費診療になりますので、1回に数千円かかる事が多いです。

・心理テストを利用することもあります。

 うつ病の背景に、発達障害やADHDが潜むことがあります。評価するために心理テストを利用しますが、これも精神科(もしくは心療内科)で実施可能です。

つまり、

投薬治療で多くの方は改善します。しかし、再度増悪してしまう、復職が難しい場合には、精神科や心療内科をご紹介し、専門的な心理テストやカウンセリングを併用することが必要になります。

C. 医療費について

 当院は、内科の一環として診療をしています。

 そのため、初診料(再診料)+処方せん料 (+内科疾患があれば、その管理料) というのが主です。

 精神科で加療をする場合には、通院精神療法が加算されます。1回に400点(3割負担で1200円)が追加になることが多いです。

 当院では、通院精神療法は算定していません。

 自立支援制度(精神通院医療)という行政の補助制度があります。当院は「心のつらさも内科の一環として診療する」というスタンスをとっているので、通院精神療法を算定せず、同様に自立支援制度も利用していません。自立支援制度を利用すると、医療費が1割に落ちます。しかし、精神疾患で通院していることを証明する書類が出来るわけで、精神的なハードルが高いのではないかと思っています。

 自立支援制度(精神通院医療)を利用したい方は、精神科(心療内科)を受診してください。

D. 最初から精神科、心療内科を受診するべき人は?

・自立支援制度を使用したい方

・心理テストやカウンセリングを受けたい方

・30分程度の長時間の診療を望む方

  ※内科として診療する場合、診療時間は長くても10分です。

・医学的に内科では対応できない方

 具体的には、①躁症状がはっきりある方(突き抜けるようなHighになること)、②幻覚・幻聴が強い人、③小学生以下、です。

 また、1種類の抗うつ薬で効果を認めない場合、精神科をご案内します。

E. 当院受診の際のお願い

・初診の段階で診断書は作成しません。

 休職が良いのかどうか、人生に関わることであり、10分の会話の中では判断できません。

・初診の際には電話で予約してください。

 同じ時間帯に複数名の予約が入った場合に対応困難になるためです。

・診療経過で他院をご案内することがあります。

 精神科へ行くべきと判断した場合には紹介をします。